わがままお嬢と完璧執事 第4話 一番好きな果物って?
ある日の夕食後...
執事「お嬢様、本日のデザートはザッハトルテでよろしかったでしょうか?」
お嬢「そうね...でも毎回チョコレートだと飽きちゃうわね」
執事「そうですか?」
お嬢「そりゃあ昨日はチョコレートケーキ、一昨日はフォンダンショコラ...流石に飽きるわよ!」
執事「そうですね、配慮が足らず申し訳ないです...」
お嬢「別に責めてるわけじゃないわ、ただザッハトルテを後日に回して、他にデザートはあるのかしら?」
執事「そういうことでしたら、お嬢様の好みに合わせますので何なりと」
お嬢「好みに、そうね...じゃあ私が好きな果物を持って来なさい!手を加えても加えなくてもいいわ!」
執事「かしこまりました」
執事「お待たせいたしました、こちらでよろしいでしょうか?」
お嬢「..........なにこれ」
執事「お嬢様の好きな果物はみかんでしたよね?」
お嬢「.........」
執事「......いますぐ下げます」
お嬢「ふふっ、冗談よ冗談!よく私の好きな果物知ってるわね!」
執事「(まったく...)はい、昔お祖母様のお家にお伺いした際に、お嬢様がずっとみかんを食べていたのが印象に残ってます」
お嬢「そ、そうね!お祖母ちゃんのみかんは格別に美味しかったからついね」
お嬢「じゃあ食べてみようかしら......んー!やっぱりみかんは美味しいわね!さっぱりしていて尚且つ甘い!そして甘過ぎず酸っぱ過ぎず!まぁお祖母ちゃんのみかんには劣るけど!」
執事「お祖母様のみかんですか...(お嬢様にそこまで言わせるということはさぞかし美味しいのだろう...)」
お嬢「ん?執事も食いたくなった?」
執事「はい、不躾ながら私もお祖母様のみかんを食べてみたいです」
お嬢「いいわよ?今度お祖母ちゃんち行った時に一緒に食べましょ」
執事「有難き幸せ」
お嬢「...悪かったわね、わがまま言って」
執事「とんでもないです、配慮が足らなかったのは事実ですので」
お嬢「そう...ザッハトルテ明日食うわ、ちゃんと取っておきなさい」
執事「でしたら、明日また新たに作りま」
お嬢「いいから、今日作ったやつを明日食うから、作り直したら許さないわよ」
執事「わかり..ました」
お嬢「よろしい、さて残りの課題終わらしちゃおうかしら」
執事(お嬢様、最近様子がおかしいな)
お嬢(あいつ...みかん食ってるとこまで見てるのよ...)
お嬢「あー恥ずかしかった」